【免疫革命①】安保徹(新潟大学大学院 医学部教授)

免疫については、色々な方が述べられているけれど、その中でも非常に分かりやすくて勉強になったものを紹介したいと思います。

有名な安保先生の「免疫革命」より抜粋して紹介します。

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最近、免疫力を上げれば病気が治る、防げる、という話をたくさん耳にする。がんやアトピー、膠原病といった難病に免疫療法が効く、という。

ところが、それらはどれも経験に基づいて治療例を並べるばかり。なぜ免疫力を上げると治るのか、という裏付けがきちんとなされている事はほとんどない。

一方、いわゆる医学部で学ぶ免疫学の分野では、免疫の化学的なメカニズムについての文責研究が圧倒的に主流で、病がなぜ起こり、なぜ治癒するのかという過程や仕組みを解説する取り組みはほとんど行われていない。

「病気の本当の原因はストレスだった」

私は25年に渡って、免疫学を研究してきた。もっと統合的な視点から、病気の根本的な謎を解き、その真の治療に役立たせたかった。

1990年代に、「白血球の自律神経支配の法則」を発見した。

ここから、「人間の病というものがどうして起こるのか」という全体的な仕組みが見え始め、同時に「なぜ現代医学が病を治せないのか」という問題点も明らかになってきた。

特に、患者数が増加の一途をたどっている、ガンやアレルギー疾患や膠原病などでは、現代医学と現代医療が、病を治すどころかむしろ重くする悪循環をもたらしている事も分かってきた。

自律神経は、交感神経と副交感神経のバランスで成り立っている。しかし、精神的・肉体的ストレスが掛かると、そのバランスが交感神経優位へと大きくぶれ、それが白血球野バランスを崩して、体内の免疫力を低下させる。

このメカニズムが理解出来ると、現代生活がもたらすストレスが免疫力を低下させ、それが病気を起こす事も、実証的に明らかにし、理論立てる事が出来る。

病気というもののほとんどの発症のベースを作っているのは、ストレスに他ならない。逆に言えば、ストレスを取り除かなければ、病気が根本から治癒する事はない。もし、薬を使って一時的に症状を抑える事が出来たとしても、すとれすがある限り、その病気の芽は摘まれる事はない。また、現代医学の強い薬を使用すれば、その薬の成分自体が、体に強いストレスをかける事にもなる。

こうしたメカニズムが不明なままで、経験的に理解され効果を上げているのが、民間療法的な免疫療法、及び、代替医療の現状ではないだろうか。これらの療法に携わる医師も患者も、科学的・理論的な裏付けがないために、どこかしら曖昧な気持ちを抱えながら治療に取り組んでいるのではないかと思う。

しかし、このメカニズムをきちんと理解すれば、もっと積極的にこうした治療に取り組み、病を治す事が出来るだろう。それは、免疫療法の効果をさらに上げる事にも繫がる。また、病にかからない体調をつくる生き方を提案していく事にも繫がる。

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