日本語人の脳、英語人の脳

【日本語人の脳、英語人の脳】

20年ほど前、当時、東京医科歯科大の教授であった角田(つのだ)忠信先生による脳の実験に参加させて頂いた。

角田先生は、元は耳鼻科の教授で、「日本人と欧米人の耳の聞こえに違いがある」事に気付き、その違いがどこから来るのかを追求し、そもそも「脳の処理が違う」という事を発見された。

その研究成果は、1978年に「日本人の脳」という本で世に発表され、当時とても話題になった。この本自体は絶版になっているが、2016年に90歳で出版された「日本語人の脳」に、その内容が包含されている。

人の脳は、右半球と左半球に分かれており、信号音や機械音は右脳(左耳)で聴き、言葉は左脳(右耳)で聴く。

左脳には言語機能が局在しており、左脳で聴けば「言葉」として解釈され、社会的意味や情緒的意味合いを与えられる。

右脳は、音の高低を微細に聞き分け、イメージを作り上げる。

この「左脳で聴く音、右脳で聴く音」の境界線が、日本語の使い手と、英語の使い手では違うのである。

日本人と言わない理由は、日本語の使い手なら遺伝子的に日本人でなくても、同じ傾向にあるからだ。

黒川伊保子(脳科学・人工知能研究者)

こういう内容、昔から色々な人が語っているのに、なぜかあんまり一般的には広がらないんですよね。日本のいいところを語ると、それを外国への差別とか、国粋主義とか言って、勘違いした批判をする人が苦情を言うから、自主規制みたいになっている部分もあるんでしょうけどね。

何事でもいい部分があれば必ず悪い部分もセットであるから、日本人が自然を凄く大事にすると同時に凄く怖れるところはこの脳の処理機能のマイナス(?)の部分でもあると思う。

自然を畏怖する傾向が強いから、「極端な自然破壊をしない」とも言えるし、「自然を克服しよう」という西洋の人みたいな強力な思想が生まれないとも言える。

どっちがいいって単純には言えないんでしょうけど、バランスというか、長期的・全体的な意味では「日本人的な全体視する感性」が大切で」しょうし、部分的・専門的な意味では「西洋的な、細部にこだわって分析し、困難を成長・克服を目指す思考法」が大切なんやろうなと思います。

僕はどちらかといえば、日本的な方が好みですけど、西洋的な思考によって科学が進歩し便利な世の中を作ってきたという一面もあるわけで、その両方を上手く調和させられるかが、これからの人類に問われているところなんでしょうね。

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