【共感障害―若者たちに密かに起こっていること―⑤】

「スマホ授乳はほどほどに」

手遊びよりも重要なのが授乳時間。赤ちゃんが口腔周辺の筋肉を微細、かつ全方位に使っているため、発話に関わるミラーニューロンも活性化している。親と子が目と目を合わせ、微笑み合ったり話しかけられたりする、大事な「共鳴体験時間」。

1997年、携帯メールサービスが開始されてから、携帯画面を見ながら授乳するママが増えた。共感力低め世代がこれ以降に生まれた赤ちゃん達なので、全くの無関係ではない様な気がする。「そっぽを向くスマホ時」に関しては、小児歯科の先生達も警告を発している。母親がそっぽを向いていると、乳首を真正面から加えられないので、顎と歯の発達が左右均等にならないそうだ。

また、子供同士の触れ合い(所作の見せ合い、コミュニケーション体験)が大事な時期に、リアル遊びよりゲームに夢中になるのも、子供達の共感力に何か影響を及ぼしているのかもしれない。しかも、ウィズコロナの今、子供達のリアルな触れ合いは、社会的にもそのチャンスが減じている。

やはり、脳にとってのリアル・コミュニケーションの重要性を、今一度、大人達は肝に銘じておいた方がいい。

黒川伊保子(脳科学・人工知能研究者)

体感・体験の重要性。バーチャルな体験は実体験ではない。それは「脳で知ったつもり」になっているに過ぎないということ。「真に知る」とは「体験」であるということ。これは、現代のネット社会において、子供だけでなく大人にも言える事だろうなという気がします。

自分を振り返ってみても、ブログやYouTubeを見ただけなのに、何か分かった様な気になってる事がありますもんね。

続く

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