心というモンスター③

「一人の不幸で悩んでいる場合ではない」

東日本大震災で、私達は衝撃的な現実に直面した。ただ同時に、目が覚めた様な感覚を持った人も多いのではないか。
日本には地震の危機が常にあり、避ける事は出来ない。災害だけでなく、政治・経済・外交などあらゆる面において再構築が必要だという機運が高まった感がある。
それは大変な課題だが、真剣に取り組むほど、むしろ心の問題は軽くなるだろう。言い換えるなら、心の問題を軽くするコツは、より大きな対象について考える事なのである。

読売新聞で書いている本の紹介も兼ねた人生相談コーナーで、「日本人の誇り」(藤原正彦著)を紹介し、この様なアドバイスをした。
(同書を読むと)「自分一人の幸不幸で悩んでいる場合じゃない。日本を何とかしなきゃ」という大きな気持ちになって、かえって楽になります。
大きな問題に憤りを感じたり、希望を感じたりすると、自分の問題の拡大を抑えられる。日本の歴史を学ぶ事で、日本人の精神を自分の中に取り入れるのも大事です。
心は揺れ動き、傷つきやすいけれど、精神は安定しています。

元々、日本人は強い精神力を持っていた。それを取り戻せばいいだけだ。一昔前の人間が普通に実践していた事を、復活させればいい。それだけで、日本人は元通り強くなれると、私は考える。

齋藤孝(明治大学教授)

かつての日本人の精神力。それは頭デッカチになりがちな人間という生き物の弱さを知り、なるべくそうはならない様に「身体をしっかりと使う、身体的な習慣や躾というものを大切にする生き方」から生まれていたのだろうと思います。

齋藤孝さんが書かれている様に、「一昔前の人が実践していた事を復活させる」という事こそ、今、日本人がしなければならない事ではないかなと感じています。僕自身は、この8月から畑を間借りして「野菜作り」をさせて貰うのですが、これを「かつての日本人に近付くための作法」としていきたいなと考えているので、物凄く楽しみにしています。

自然と共に生きていた、昔の人間の在り方を思い出す。

これこそが、真の健康法であり、真の哲学であり、宗教でもあり、心を健全に保ち強く生きるためのコツなんだろうなと思います。

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