「みんな同じ」と思い込む危うさ

人はどんなに考え方や思想が似ていても、趣味が同じであっても、やっぱり違う部分があるもの。

でも人はその当たり前の事をすぐに忘れてしまう。

趣味のサークルでも、右や左の政治的思想団体でも、環境問題に取り組む団体でも、差別問題に取り組む組織でも、その内輪の中でのちょっとした違いが許せずに分断・分裂していきますね。

自分と感性や考え方が近いから、尚更その少しの違いが許容出来なくなる。

脳のシステムでいうと、愛情ホルモンであるオキシトシンが裏返しの作用でそうなってしまうといいます。オキシトシンの作用により相手を自分の仲間と認知しているからこそ、その仲間が少し自分と違う考え方や感じ方をするのが受入れられない。ほんのちょっとの違いが許せなくなる。

「端から違う人、赤の他人、仲間ではない」と思っている相手ならば何という事もない違いが、自分の仲間であり、「同じである」と思い込む事により、少しの違いで逆に敵視してしまう結果に繋がっていく。

人間は仲間を作り、群れる動物だけれど、その習性が逆に敵を作り、争いを生み出す事に繋がっていく。

世の中で、人が常に衝突し、人間関係で思い悩み、気持ちが離れて分断していく根本原因はここにあるんですよね。

この人類最大の長所であり、最大の欠点でもある習性を、子供の頃からきちんと教えておく事は、無意味な争いを起こさず、幸せな人生を送るためにはとても大切な事なんじゃないかなと思います。

近年、こういう脳内のシステムがかなり解明されているにも関わらず、その仕組みが教育に活かされないのは、人と人が分断され、社会がまとまりがない方が都合がいいという人達がいるんでしょうね。

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