仲間と認識していなければ 助けない

ネット記事で読んだ興味深い実験です。 同じ哺乳類ですし、人間も基本的には同じでしょうね。

以下、転載です。

【共感だけではダメ。仲間意識がないと他者を助ける行動には至らないことがラットの研究で明らかに】

 同じヒト科であるにもかかわらず、この世界には、国や民族、宗教、思想の違いによる対立がいたるところで起きている。誰もが平和を求めながら、なかなか実現しないのはなぜなのか?
 『eLife』(7月13日付)に掲載されたラットを使った実験からは、そのための手がかりをうかがい知ることができる。
 どうやら人間同士が手を取り合うための鍵は、共感だけでなく、仲間意識を持つことが必要なのだそうだ。

ラットにも思いやりの心がある

 意外に思うかもしれないが、じつはラットにも人間と同じように仲間を思いやる心がある。ピンチに陥った仲間がいれば、それを助けようとするのだ。
 テルアビブ大学(イスラエル)の研究グループは、ラットのペアをケージに入れてその行動や脳神経の活動の観察を行った。  ただし、一方のラットは透明なシリンダーに閉じ込められていて、とても辛そうな状態にある。もう一方は自由に動き回ることができる。はたして自由なラットは、ピンチに陥ったラットを目にしてどのような行動をとるだろうか?

共感だけではなく、仲間意識がないと助けない

 ここから判明したのは、どんなラットも相手の苦しさを感じ取り、それに対して共感を示すということだ。  具体的には、脳の感覚野や眼窩前頭野などが活発になる。この点において、相手が自分と同じ種類であるかどうかや、群れの仲間であるかどうかは関係がない。
 だがポイントはここからだ。共感だけではダメなのである。
動けるラットがシリンダーの扉を開けて相手を救助するのは、報酬系(すなわち側坐核)にスイッチが入ったときだけだった。  そして報酬系にスイッチが入るのは、相手が群れの仲間であるときだけだった。苦しむ相手が自分の仲間であるときだけ、報酬系が強く反応し、実際に救助しようとしたのである。

同じ人間であり仲間だという意識が世界を変える可能性  

人間をはじめとする哺乳類にも、基本的にラットと同じ共感と報酬のメカニズムが備わっている。このことは、私たちにもまた仲間だけを選好するバイアスが存在することを示唆しているという。  ニュースなどで、海外で大変な状況に陥っている人たちを目にすることがある。その境遇に共感しかわいそうに思う人は多いだろう。だがそのうちの、どれくらいの人が実際に救いの手を差し伸べるだろうか?  
主執筆者のインバル・ベン=アミ・バータル氏は、「共感だけでは救助行動を期待できません。ここが重要な点なのです」と語る。
 「もし困っている人たちに対する支援をうながしたいのなら、同じ仲間だという気持ちを育ててやる必要がありそうだということです。同じアイデンティティを持つよう働きかけるのです」  今、世界は新型コロナという共通の危機に直面している。はたしてこの大ピンチは、世界中の人々が仲間意識を育むチャンスになるのだろうか?


人間的に冷たい人って確かにいるけど、この実験の結果だけでいうなら、そういう人は実は「冷たいのではなくて」、きちんと状況を理解はしているけれど、相手の事を「コイツは仲間じゃないと認識しているから、”別に助けなくてもいい”という判断をしている」て事なんでしょうかね。

そう考えると分かりやすいし、対応もしやすいですね。

助けて貰えなかったら、「コイツ冷たいヤツやな!」と思うのは間違いで、「あ、自分はコイツにとって仲間と違ったんや!」って認識すればいいだけですね。

その次に考えるべきは、「ちゃんと仲間と認識して貰うにはどうすればいいのか?」あるいは、「もうこんなヤツどうでもええから、こっちも冷たい対応してやるわ!」のどちらか?って事になるんですかね。それには相手の能力や人間性やら、色んな要素が加味されると思いますけど、能力的にも人間的にももう一つなら、切り捨てられるのが早くなるから、これ自分が切り捨てられる側にならない様に、ちゃんと普段から考えておかんとアカンところじゃないかなと思います。
普通に考えると、そういう冷たい対応ばかりしている人って自然と周囲の人からも冷たくされるだけやし、損ばっかりするやんって思うので、基本的な姿勢として普段から人を助ける事は心掛けておくべきやなあとあらためて思いましたね。

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