仲間がイジメられていると心が痛む

とても考えさせられる記事でした。

仲間がイジメられていると、心が痛む。人間なら当たり前だと思う事ですけど、ネズミでも同じなんですね。

ネズミでもこうなら、人間ならもっと酷いダメージ受けてるんでしょうね。ブラック企業までいかなくても、今の学校や仕事での極端な成果主義は人間の脳に相当悪影響を与えているんじゃないかと思います。

以下記事の抜粋です。

仲間がいじめられているのを見たマウスはうつ病になる

 仲間がひどいいじめにあい、暴力を受ける姿を見れば、大抵の人なら強いショックを受けるだろう。それはマウスも同じだ。仲間が暴行される姿を無理やり見せられたマウスの脳に、うつ病の兆候が確認されたという。

 東京理科大学の研究グループによると、精神的ストレスを受けたマウスは、海馬で新しく生まれた細胞が死にやすくなってしまうのだそうだ。

 この研究は精神的ストレスがうつ病の発症にどのように関与しているかを調べたものだ。
精神的ストレスとうつ病の関係を調べる
 うつ病は一般にもよく知られている精神疾患の1つでだが、発症の原因など、その詳細なメカニズムについては完全に解明されていない。
 諸説あるが、ストレスを受けると脳の海馬の入り口にある歯状回で、神経細胞が育ちにくくなるため、これがうつ病の発症につながっていると考えられている(神経新生仮説)

 だが一口にストレスといっても、身体的ストレスと精神的ストレスがある。これまでの研究では、主に「身体的ストレス」が脳に与える影響が取り上げられてきた。
 そこで斎藤顕宜教授らのグループは、「精神的ストレス」がうつ病に与える影響を調べることにした。


マウスに暴行を加えられているマウスを無理やり見せる

 『Behavioural Brain Research』(21年8月18日付)に掲載された研究では、あるマウスに暴行を受ける別のマウスの姿を目撃させ、その後に起きた脳の変化を観察している。
 マウスのオスには、自分の縄張りに別のオスが入ってくると、攻撃をくわえて撃退しようとする習性がある。
 この習性を利用して、侵入者側のマウスに敗北感やストレスを与えることができる。これを「社会的敗北ストレスモデル」という。
 だが攻撃を受けたときのストレスは「身体的ストレス」だ。そこで今回の研究では、その現場を目撃させることで「精神的ストレス」のみを与えた(代理社会的敗北ストレスモデル)。


精神的ストレスで海馬の神経細胞が死にやすくなることが判明

 精神的ストレスを与えたマウスの脳を観察すると、新しく生まれた神経細胞が死にやすくなることがわかったという。
 じつは大人になってからも、海馬などの脳の一部では神経細胞が新しく作られている。これを「新生神経細胞」といい、記憶や学習に深く関わっていると考えられている。
 ところが精神的ストレスを受けたマウスの海馬にある歯状回では、新生神経細胞の数がはっきりと少なくなっていたのだ。これは新生した細胞の生存率が低下するためであるという。

ただ、こういう実験、やる人にも相当心にストレス与えている様な気がするんですけど、何ともないのかな?ってよく思う。結構、辛いと思うんですよね、数をやってるとマヒしてくるんかな?

「なるほど」と感心し有難いと思う半面、こんな酷い実験、わざわざやらなくてもいい様な気がするなと思う偽善者の様な自分もいますし。動物実験のお陰で色々な事が発見されているんだから、有難いのだと頭では分かっているんですけどね・・・。

話を中身の方に戻してみると、こういうのってミラーニューロン(他者の動きを自分の脳内で再現する脳内の働き)の力なんでしょうけど、プラスにもマイナスにも働くって事なんやなと思います。感情を同調させて思いやりになったり、他者の動きを参考に真似られたりする半面、他者の痛みを感じて自分の脳にダメージを与える事にもなる。

本来は、危機的状況を感じ取って、仲間を助けたり、そういう場所から逃げたりするために必要なものなんでしょうけど。動ける状態なら、「逃げられる状況なら逃げる」あるいは「闘って仲間を救える状況なら闘う」っていう判断をするんだろうなと思います。

でも、今の人間社会ではそういう状況を見ても、黙って見過ごす、見て見ぬ振りが多いですよね。なぜそういう「保身」の気持ちが働くのか?

そこには「自分一人が立ち上がっても、どうしようもない。助ける自信がない」という無力感があるのだと思いますが、それって本当にそうなのか?

実験から、少し話が飛びますが、誰かによってそういう「無力感を植え付けられていないか?」をしっかり考える必要がある様に思います。

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