ギバーとテイカーは裏表、セットで調和している

近年、マウンティングとか、ギバーとかテイカーとかいう言葉をよく見聞きする様になりましたね。何でも横文字にしてるけど、本当は特に目新しい内容でもなくて、大昔から言われてきた事やと思います。

よく言われるのが、「二種類のギバー(与える人)」のうち、どちらになるか?この差はとても大きいということ。

ギバーが与える人、テイカーが奪う人、マッチャ―が与えて貰ったら、その分量をお返しする人。

中野信子さんのネットでの記事を読んで、少し考えてみました。

「いい人」の方が社会経済的地位が低くなりやすい

犯罪心理学者のエイドリアン・レインという人がいまして。この人が双子研究から、ちょっとパーソナリティの問題でなかなか言いにくくはあるんだけれども「反社会的な行動のうち、40パーセントから50パーセントは遺伝によって説明できる」というふうに、彼の主張としては言っています。なかなか取り扱いの難しい問題だとは思います。環境要因というのはだいたい4パーセントぐらいだと言っているんですね。
なかなかイヤなデータかなと思います。ただ、この反社会的傾向はそのまま犯罪に結びつくかっていうと、そういうこともなくて。反社会的傾向が、社会において成功するために必要だという部分もあるんですね。

というのは、これも言いにくいことではあるんですけれども……いわゆる「いい人」のほうが、社会経済的地位が低くなりやすいというデータがあります。なんでかというと、いいように使われてしまうからですね。都合のいい人になってしまうので。みんなにとっていい顔・いい人であるということは、必ずしも自分のためにはならないということもあります。

一方で社会的に非常に成功している人にも、いい人が多いんですね。これどういう違いがあるのかというと、非常に成功しているいい人たちというのは、自分がいいように使われない術をちゃんと知ってる。「ここから先は入ってくれるな」というところで、ちゃんと適切にキレることができたりとか、自分に都合が悪いなという時は「それは僕はやりません」ということをちゃんと主張できるんですね。

それをしない、搾取されるだけのいい人というのは、今言ったような反社会的行動をとる人たちによって、搾取される対象になってしまうので。ちょっと生きにくい世の中になってしまうかもしれませんね。自分のいいところを、やっぱり自分で守れる力を身につけていってほしいなと思います。

あと日本人の性質としては、実は反社会的な傾向を持った人は少ないんですね。いわゆる「いい人」が非常に多くいる国のようです。これはなぜかというと、日本というのは来歴をたどりやすいんですね。外国から来た人も非常に家系をたどりやすいというか、流動性が低い国というふうに言うことができるんですけれども。

こういう国ですと、その人が過去になにかやったということになると、記録として残ってしまいやすい。反社会的行動をしにくいんですね。一旦そのコミュニティから排除されることをすると、とても大きなペナルティを背負うことになるので、なかなかコミュニティに対して「ノー」と言うことが難しい。そういう特殊な条件がある国ですので、反社会的傾向を持った人が生きのびにくい国だと言うことができます。
日が出るから、日は沈む。
プラスとマイナスは必ずセット。

【搾取されやすい、マウンティングされやすい人】

「与える=搾取されるだけ」の人か、「与え合い」が出来る人になるか?

その差は、人間関係のお互いの領域にきちんと「線を引く」能力があるかどうか?やと思います。

これって昔は、普通に「けじめ」という言葉で教えていたと思うんですよね。「それ以上、他人に甘えたらアカン」という線を引く力。

「それ以上はけじめがないで!」とか、子供の頃によく言われました。

自分に対しても、相手に対してもそれは同じこと。他者から依存されたり、搾取される人って、その人自身が他者に対して同じ様に、依存し搾取する体質を持っているんですよね。テイカー(奪う人)気質を持っているから、同じ量量のギバー気質を持っている。

【「遠慮」という能力】

全ては陰陽、裏表で表裏一体っていう事だと思う。宇宙はバランスで成り立っていて、「甘えるだけ、依存するだけ」も無理やし、「奪うだけ」も成り立たない。「どこかで甘えていれば、違う所で甘えられる」し、「どこかで搾取していれば、どこか違う所で搾取されている」というだけ。宇宙は必ずバランスを取っている。

それが見える目を持っているかどうか?

これが遠くを見る能力、本来の「遠慮(「遠く」まで見渡す力)」という能力だと思うのですが、現代人はみんな近視眼的能力しかないから、目先の損得しか見えなくなっている。「ちょっと遠く」を見たり、「ちょっと広く」見たりが出来ないんですよね。

だから、テイカーになったり、悪い方のギバーになったりするだけ。

すぐに得をしたかったり、甘えたかったりするから、必要以上に他人の心に土足で踏み込もうとしたり、相手の領域に礼を失して入ろうとする感覚を持っている。だから、相手にも同じ様にされてしまう。自分自身の魂のレベルがそういう波長を発信しているから、そういうレベルの人を呼んでしまう。そして、そういう人同士で同調し合った人生を生きてしまう事になる。

逆に、心が自律した人は、自然とお互いに気持ちいい関係をつくっている。特に意識しなくても、いい人同士で繋がっていく。

どっちの人も、「やった事が返ってきている」だけ。まさにカルマの法則なんですよね。

【「損して得取る」人生を目指す】

「親しき中にも礼儀あり」。こんな小学校低学年の子でも知っている言葉を、頭ではなく身体で理解していないから起こっているのが、ギバーやテイカー、ブラック企業とかいった、「搾取」という現象だと思います。

搾取なんて、ちょっと長い目で見れば絶対に出来ない。この宇宙の中では不可能なこと。奪い続ける事は出来ないし、与え続ける事も出来ない。なぜなら常に宇宙はバランスを取り、調和しているから。

人間は、損も出来ないし、得も出来ない。与えた分しか与えられないし、奪った分はキッチリと奪われる。

これが本当に体で分かっていれば、昔の人が大切にしていた「損して得取る」という生き方が出来ると思うんですよね。

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