男と女、永遠の命題に挑む

黒川伊保子さんの本はよく読むのですが、その中から少し抜粋して紹介させて頂きます。

【男と女、永遠の命題に挑む】

夫婦はなぜムカつき合うのか?

その永遠の命題に、人工知能研究から生まれた男女論が答えをくれた。

結論から言うと、男と女は、あらゆるシーンで正反対の答えを出す、真逆の装置なのである。

そして、そうである以上、男女は譲り合っていては危ないのだ。

互いにムカつき合い、喧嘩をする事で、「その場での正解を最速で出す」システムになっているから。

つまり男女は、ムカつき合う事が前提の、ペアの装置なのである。

「男は遠くの”異物”に気を取られる」

ものを見るという機能において、男女は、その守備範囲を真っ二つに分けている。

男性脳は、半径3より外側の、動く異物に照準が合う様に眼球を制御している。

デートをする時、男性が壁際の席に座る事はお勧め出来ない。店内を見渡せる席に座ると、ウェイトレスや客に、いちいち眼球が向いてしまう。

ちらちらとよそ見をして、目の前の女性に集中していない様に見えてしまうのだ。それをしない様に頑張っても無理。

空間認知力の高い男子ほど、これを無意識の内にやってしまう。遠くで動く異物に瞬時に視線を走らせる事で、リスクヘッジをしているのだ。

そして、空間を把握する時は、遠くから手前に向かって視線を走らせる。さらに、全体をまばらに見て、空間全体の距離感や、物の位置関係を測っている。

「半径3mの外側が男の守備範囲」

男性脳は、何万年も狩りをしながら進化してきた。荒野に出て、危険な目に遭いながら、仲間と自分を瞬時に救いつつ、確実に獲物を持って帰って来た男性だけが、安定して子孫を残してきたのである。

その進化の果てに21世紀の男性達がいる。広い空間を一気に見渡して地理情報を把握し、向こうから飛んで来るものをいち早くキャッチして、確実に迎撃する。そんな脳神経信号の持ち主が、研ぎ澄まされて、ここに在るのだ。

半径3mの外側は、何キロ先まで男性脳の守備範囲だ。繊細にものを見るわけじゃないが、要所要所を見逃さない。

男性脳は、広さと速さを旨とした視覚認知を実現している。

そんな男性脳に、目の前のものを大切そうに見つめ続けよ、あるいは、目の前のものを探せというのが酷なのだ。何万年も男達は、半径3Ⅿ以内は女に任せて、「狩りのための眼球制御」を進化させてきたのだから。

何万年もそれで良かった。

35年前までは。

「35年前、歴史は変わった」

残念ながら、男女雇用機会均等法以降、女達はその役割を放棄しつつある。

「何で、目の前にあるものを探すのに私を呼ぶわけ?私は忙しいのよ」という訳だ。

そして、定年退職して狩場から離れた以上、男達も3m以内の世界で上手くやっていかなくてはならない。家の中は、ほぼ半径3m以内で出来上がっている。

35年前までは、定年退職後、男達はそう長生きしなかった。

しかし今は、ここから40年生きる。

夫にとって未知の領域、「半径3mを綿密に見る世界」。

家は、男達にとってアウェイだ。

ホームなのにアウェイ、海外でサッカーの試合をするかのよう・・・・かわいそうに。

今からその能力を女性並みに上げる事は出来ない。

しかし、互いの物の見方が違う事が分かれば、妻がなぜムカつくのか、夫がなぜ戸惑うのか、その謎が解ける。

「女の意識は、近くの愛しいものへ」

女性脳は半径3m居ない(概念距離なので多少の幅はある)を面でつぶす様に、なめる様に見て、針の先ほどの変化も見逃さない。何か不穏なものや探し物がある時は、例え隠れていても、「この辺りに何かある」と感じる能力さえある。おそらく視覚だけではなく、嗅覚や触覚(皮膚感)までをも総動員するのだと思う。

「男女は二つ揃って完全体になるペアの装置」

男は遠くの、動く物に目が行き、女は近くの、愛しいものに意識が行く。男女とも、落ち着いた状態ではどちらの見方も出来るのだが、とっさには、真っ二つに分かれるのである。

幼き者に危険が迫れば、男の目線は危険なものに向かい、女は幼き者から目を離さない。

男女は、とっさの時に正反対の反応をして、愛する者を守り抜き、真実を照らし合う。

二つ揃って完全体になる、ペアの装置なのである。

さて、そんな大事なペアが、なぜムカつき合うのだろうか。

互いに自分の

役割をしっかりと努めて、相手に「自分と同じ」を求めなければいいだけの事なのに。

しかし、現代社会は、「男女は同じ」という概念のもとに成り立っている。

太古の昔から、夫婦とは「真反対の装置が組み合わさって、一つのシステムを作る」組織だったのに、「同じ装置が寄り添って、一つのシステムを作る」組織に変わってTしまった。

脳は何万年もかけて進化しており、急に変われるわけもないのに。

黒川伊保子

(脳科学・人工知能研究者)

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この文章ぼ最後の辺りは、「自然の摂理、神の意志」を感じさせるもので凄く感動しましたね。

自然界というものは実にうまく出来ているというか、完璧なんですよね。

それぞれ持ち味が違うから意味がある。

違うものをそれぞれ別の役割を与えて配置してある。

人間の浅知恵で考える、男女平等とかジェンダーといった概念がどれだけ浅いものなのか?を重石知らされる気がします。

この自然界が与えた偉大なプログラムを「変える事にメリットを感じる何者か」が存在している。

その正体を炙り出したいものですね。

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