当アカデミーでは、あらゆる取り組みを行う際に、まずコンディショニングによって心と体の調子を整えてから行います。
コンディショニングと言っても、筋力トレーニングやダイエット等と違って、具体的なイメージの湧かない方も多いと思います。
しかし、このコンディショニングこそが、あらゆる運動やトレーニング、ダイエット、そして仕事や日常生活を送る上においても、一番の基礎、土台となるものであると当アカデミーでは考えているのです。
コンディショニングとは、コンディションとトレーニングを合わせた造語と言われますが、簡単にいうと「身体の調子を整える運動」と考えて貰うといいと思います。
人間の体には、「自分の意思で動かせる部分」と、「自分の意思では動かせない部分」があります。
筋肉でいうと、随意筋と言われるものが自分の意思で動かせる部分で、アウターマッスルと言われる部分が主になりますね。逆に自分の意思では動かせない(動かせる部分もあります)部分がインナーマッスル(体の深層部にあり、全身のバランスを取ったりしています)や内臓(内臓も筋肉なのです)です。
これには意味があって、自分の意思で全部を行っていては、大変過ぎて生きる事などとても出来ないので、基本的に「自動でいい部分」やあるいは「生きていく上で絶対に忘れてはならない機能=呼吸や心臓の鼓動、消化吸収などは、うっかり忘れて死んでしまわない様に、全自動に作られているわけです。
人間を作った存在、神様か何か分からないですけど、本当に凄いですよね。この機能が人間にセットされていなかったら、ライオンに追いかけられて必死で逃げていたら呼吸を忘れたり、寝ている時に心臓を動かすのを忘れて死んでしまったりする人間が沢山いたと思います。
そして、この機能がしっかりと働いてくれているからこそ、人間は狩りをしたり、農作業をしたりして、厳しい環境の中を生き延びてこれたのです。現代人が、様々な仕事やスポーツ、車の運転等を出来るのも、この昨日のお陰です。
寝る時に、心臓の鼓動や呼吸を自分の意思で行わねばならないとしたら、ぐっすりと眠る事など出来ませんし、スポーツをする時にバランス感覚や心拍数を自分でコントロールしなければならなかったら、スポーツの動きや技に集中する事など出来なくなります。これらを自分の意思ではない部分が自動的にコントロールしてくれているから、人間は色々な活動が何不自由なく出来るのです。
そして、これらの機能が物凄く優れている人が「天才」と呼ばれる人になるわけですね。当アカデミーでは、この「天才」に凡人が近づく事を目指します。
「天才はつくれる!」が信念です。
話を少し戻します。昔はこうした機能がしっかり性能を発揮して、人類は上手く世の中を生きてこられました。
しかし、現代人は「自分の意思=人間脳」が行う領域が増えすぎて、これらがパンク状態になってしまっています。文化・文明が発達し過ぎて、人間脳を使用する範囲が大きくなり過ぎたのです。
対動物、対植物といった「対自然」から、「対人間」の領域が大きくなり過ぎました。昔と違い、相手が自然ではなく、何をやるにも対人関係に気を配り、いつも「人の目・他人の評価」を気にして、それに敏感になり過ぎているのです。
人間の脳は簡単にいうと、三層の構造になっており、人間脳(大脳新皮質)、動物脳(旧皮質)、爬虫類脳(脳幹など)の三つが重なる事で機能しています。それぞれに重要な役割があります。
人間脳はそのまま、人間らしい活動を担当しています。先程、述べた「対人」社会を生きる上で必要な脳になりますね。人から見て自分はどう見えるか?他人にどの様に評価されているのか?といった事を理解する部分です。
これはいわゆる文化的なもの、机上の分野のものだけではなく、スポーツもこの脳が担当しています。サッカーや野球などの競技内容、ルールは人の脳が作り出した人工的な物であり、文化的なものだからです。だから、スポーツのトレーニングで使うのも、基本的には筋肉でいうと、アウターマッスルばかりを使い過ぎてしまうんですね。特別にインナーマッスル系のトレーニングを行っている人でない限りは、自分の意思で行えばアウターマッスル主体となってしまいます、天才以外は。
天才と言われる人達は、こうした競技を行っていてもなぜかインナーマッスル主体で動けるのです。
スマホに例えると、「インナーマッスル主体」というアプリが先天的にインストールされている人種と言えるかもしれません。
だから、意思で動くアウターマッスルとインナーマッスルが協調・連動して動けるのです。
我々凡人は、そうはいきません。
だから、後天的に「インナーマッスル主体」というアプリをインストールする必要があるのです。
その第一段階が、このコントロールとなります。心と体をリラックスさせ、自律神経を整えてその機能がフルに発揮される状態にもっていきます。その土台の上に、さらに自分の持っている潜在能力を引き出せるトレーニングを積んでいくのです。