男性脳と女性脳の違い
最近は、男性と女性の脳は何も変わらないという考え方が主流みたいで、研究者によっては「男性脳とか女性脳という考え方はオカルトみたいな俗説」とか言ってる人もいたりしますね。
実際に世の中を見ていて、そして幼い子供を見ていても、明らかに違うと思うんですけど、「それは社会にあるジェンダーの思想が、知らず知らずのうちに幼い頃から圧力をかけているのだ」という人達がいますけど、僕は、この黒川伊保子さんの意見に賛同します。この方が、事実に即していると思えるんですよね。
【男女の脳はチューニングが違う】
男女とも、全機能搭載可能な脳で生まれて来る。
男性には決して出来ない事も、女性には決して出来ない事もない。その意味では、男女脳は違わない。
しかし、脳は予め、生存に有利に振る舞う様にチューニングされている。
哺乳類の雌雄である女性と男性は、生存と生殖の戦略が違う。このため、チューニング=とっさに採択する脳神経回路が違うのだ。
「少し離れた場所で動く物に瞬時の照準が合う」事と、「目の前を綿密に見詰め続ける」事は、同時には出来ない。
このため、脳はとっさに使う方を決めている。
狩りに出ながら進化してきた男性脳は前者、子育てしながら進化してきた女性脳は後者にチューニングされている。
例えて言えば、男女の脳は、同じラジオで、チューニング(選局)が違う様なもの。
しかも、ダイヤルがかなり硬く固定されていて、互いになかなか替えられない。
脳生理学の先生の大半は、「男女の脳は違わない」とおっしゃる。
確かにメカは一緒だけど、「ボサノバ」と「天気予報」を同じものだと言い張っても意味がないし、誰も幸せになれない。
「ボサノバ」にも「天気予報」にも、それぞれに利点と使い道がある。さっさとそれを論じた方がいいのでは?
黒川伊保子(脳科学・人工知能研究者)