【人間の社会はほとんどグレー】
これ、本当に大事ですよね。人間ってついつい、白か黒か、右か左か、と考えたくなる生き物ですけど、これが社会のあらゆる諍いを生み、自分自身の心においても葛藤を生み出している。
どちらかに切り分けられる様な単純な事なんて、ほとんどない。
この事をしっかり、頭ではなくて、心に入れておく事は、人生を生きていく上で凄く大切な事だなと思います。
早稲田大学教授、榊原英資(えいすけ)さんの著書「榊原式スピード思考」より抜粋して紹介します。
【人間の社会はほとんどグレー】
「見る角度によって物の見方は変わる」
人の言う事や世間で言われている事を丸呑みせず、自分で物事を確認し、自分で判断を下す。この時に重要なのは、ほとんどの問題は「白か黒か」ではなく、実際はグレーであるということ。だからこそ物事の判断は、とても難しいのです。
「人を殺してはいけない」という事でも、ある状況では殺さなきゃいけない、という事はあるかもしれません。あるいは被害者よりも加害者に同情したくなる様な事件だって、少なからずあります。
立場や状況を正確に捉えなければ、その判断に至るまでの決断を理解する事は出来ません。
重要な事は、白か黒かで問題を決めつける事でなく、問題の裏側にあるグレーさを把握する事ではないでしょうか。
しかし、私達には、イエスかノーか、やるかやらないか、白にするか黒にするかを決めなければならない瞬間もあります。
その時には、どちらが正しくて、どちらが間違っているかではなく、「判断としてこっちを選んだのだ」という事を、自分の頭の中に入れておかねばなりません。バッサリと白か黒かではいけないのです。
世の中の多くの事は、白か黒かに決めつけられない、グレーゾーンにある事が普通です。
その“グレーである“という事を前提として、「では、自分はどう考えるか」という判断をしていく必要があります。