生き方は顔に出る
とてもいい記事を読みました。
生き様、その人の中身は知らぬ間に外側に滲み出てきますよね。そして、他人は自分のその部分を見て判断するもの。
「芸能人なんて」ってバカにする人がいるけど、何処の世界でも長く生き残れる人はやっぱり違うと思う。本当にとてもいい内容なので、全文紹介したいと思います。
まずは石橋貴明さんの部分。僕は石橋さん、あんまり好きではなかったんですけど、多分テレビで見る芸風のイメージで偏見を持ってただけなんでしょうね。相方の木梨さんは好感持ってましたけど。
そうなんだ!「芸能界だって、実力1割、運9割」プロの言葉に学ぶ「運やチャンス」のつかみ方!
「石の上にも3年。ホント、昔の人は良いこと言っている」
――石橋貴明(タレント)
石橋貴明さんは、1980年代から芸能界のトップランナーとして走り続けてきた。最近では、YouTubeでのブレイクが報じられている。
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お笑いタレントとしては、ヒールのイメージを持つ人も多いが、インタビューで現れたのは、笑顔をたたえた紳士だった。そして、よろしくお願いします、と深々と頭を下げられた。テレビのイメージとは、まるで違っていた。
それだけではない。受け取った名刺をテーブルの上に並べると、質問をするたびに、「上阪さん、それはいい質問ですね」と返される。人生で最もたくさん耳にするのが、自分の名前。スターにそれを呼ばれることが、心地好くないはずがない。さすが、長く活躍している人は違う、と感じた。
そしてインタビューでも、意外な言葉が連発された。
「芸能界だって、実力1割、運9割」
「同年代のお笑いの世界にも、うまい人はいくらでもいた」……
運をつかむヒントは、という質問には、こんな答えが返ってきた。
「辛抱です。辛抱の先に何かが待っているかもしれない。石の上にも3年っていう言葉があるけど、ホント、昔の人は良いこと言っている。これは、何をやるにしても言えることだと思う。努力も大事です。だって、運とタイミングがそろったときに準備ができていないと、それに乗れないですからね」
世に出てくる人は、やはり、ということをやっているのである。
ギブ・アンド・ゲット
成功者や有名人は、ソファにふんぞり返ってインタビューを受けたりするのではないか。たくさん取材をしていると、一般の人からそんな質問を受けることもあるのだが、私の印象はむしろ逆である。成功者ほど、謙虚で腰が低く、サービス精神が旺盛なのだ。
考えてみれば、当たり前のことかもしれない。感じの悪い人間、正しくないことをしている人間を、応援しようとする人はいるか。短期的にたまたまうまくいっても、長期的には難しいだろう。そして彼らは同時に、誰よりも努力をしている。
こういうトップに立っていた人が、「運」っていうのは説得力があるというか、「実力だけじゃどうにもならない」という場面を本当に沢山見て来られたんだろうなと感じさせられますね。
次は郷ひろみさん。
今でもキレのあるダンスを披露される郷さんですが、相当身体の鍛練をして、セルフケアにも力を入れておられるんだと思います。ジャニーズのアイドルが事務所を辞めると生き残るのが難しかった時代に、生き残り続けてきたのは、この自分に対する厳しさがあっての事なんでしょうね。
「3日でできることは、3日で忘れるんです」
――郷ひろみ(歌手)
郷ひろみさんは、私が子どもの頃、テレビのブラウン管の向こうにいたスターだった。スタジオでの激しいトレーニング後に行われた取材で顔合わせのとき、「郷です」という、独特の挨拶とともに笑顔で右手が差し出された。本当の話である。
取材でも、にこやかに、丁寧に、驚くほど気さくに、本当に何でも答えてもらえた。16歳でトップアイドルの座をつかんだが、若い頃はずっと“危機感”を持っていたという。
「何年かやってくると、なんとなく自分自身のことがわかってくるものです。歌も踊りも思った以上にダメだなって。このままじゃ、遅かれ早かれ僕は終わっていくと思いました」
だから、明確な目標を常に持っていた。そして、目標にしたものを手に入れるための人生のロジックがあった。それが、“ギブ・アンド・ゲット”。ギブとは、何かを得るために自分が注ぎ込む時間やお金、労力。そして注ぎ込んだ分だけゲットできる。
注ぎ込んだ時間が短ければ、手に入れられるものも小さい。情熱が大きければ、手に入れられるものは大きくなる。目標が大きいほど、それだけのことをしなければいけない。
「3日でできることは、3日で忘れると思うんですよ。ゴルフでもそうですけど、30分のレッスンでつかんだぞ!と感じることなんて、30分後にはきれいに忘れますから(笑)。1カ月でできたものは、1カ月で忘れる。3カ月も1年も同じ。でも。不思議と3年やると、やめようというレベルではなくなるんです」
そして3年続けるためには、取捨選択が必要になる。やりたいことを全部なんて、無理なのだ。何を我慢し、何を捨てるのか。選んだものの大きさが、人生を形作るのだ。
この、 「3日でできることは、3日で忘れるんです」 は本当に真理だと思う。よく言われる「三年先の稽古」と裏表なのかなという気がしますが、この地味な努力が出来ない人が多いですもんね。
最後は松平健さん。一番、考えさせられる記事でした。
「生き方が顔に出る」、よく言われる言葉ですが、役者さんは表情や全身に出る雰囲気で勝負するんですから、それはもうシビアに出てしまいますよね。 この方が貧乏なところから出発されたとか、全く知りませんでした。人って目の前の人の奥、裏側にあるものが如何に見えていないか?って事なんやなあと思わされます。スターになる前の苦労とか陰での努力、そこに想いを馳せられる人だけが、自分自身がそこへ至る道に気付けるんですよね。
「自分の器を小さく見積もるな」
いかに簡単にすばやく成功を手に入れるか。そんなふうに考える人もいる。しかし、インタビューしてきた成功者やプロフェッショナルたちから、そんな空気を感じたことは一度もない。多くの人が、ひたむきにコツコツと努力を続けていた。
そして、なぜコツコツとした努力が必要なのか、違う言葉で教えてくれた人がいる。本番さえうまく乗り切ればいい、というのがいかに危険な考え方であるか。実は日常が、すべてを作っているのだ。
「乱れた暮らしなんてしていれば、すぐにそういう人間の顔になる」
――松平 健(俳優)
徳川吉宗、武蔵坊弁慶、大石内蔵助……。松平健さんは、錚々たる顔ぶれを数多く演じてきた。だが、常に主役クラスを演じるからには責任を負う覚悟が必要になる。
「勧善懲悪のストーリーでは、主役には“爽やかさ”が求められると思っています。でも、それは演技力だけでは出せないんです。肉体的にも毎日しっかり鍛えておかないといけない。もっと言うと、普段の生活が問われてくるんです。乱れた暮らしなんてしていれば、すぐにそういう人間の顔になる」
教えてくれたのは、師匠の勝新太郎さんだった。松平さんは貧しい家庭に生まれ育った。工業高校を中退、寿司職人の見習いをしているときに観た映画が運命を変える。主演の石原裕次郎さんに憧れ、上京。八百屋で住み込みの店員をしながら劇団に通っていた。勝さんに会う機会を得る。東京に来て、3年が経っていた。付き人をしながら演技を学ぶが、なかなか役をもらえなかった。そんな中、ようやく出会ったのが、「暴れん坊将軍」の将軍役だった。
「『自分の器を小さく見積もるな』ということだったのかもしれません」
アドバイスもほとんどしない勝さんの数少ない指導のひとつが、将軍らしく遊べ、だった。主役に抜擢された後、安い居酒屋で飲んでいると、激しく叱責された。
「将軍役なんだから、もっといいところで遊べ! 安い店に行っていると、それが演技に出る。借金してでも高級店で飲め、と」
松平さんは忠実にそれを守る。3カ月で終わる予定だった番組は、実に26年も続くことになった。
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運やチャンスのつかみ方は人それぞれ。しかし、多くのインタビューで感じたのは、「物事は捉え方ひとつ」だということである。一見、チャンスでないように見えるものが、実はチャンスだったりする。意識の持ち方ひとつで、人生は大きく変わっていくのだ。
また、力を発揮できる人の特徴は、やはり語れるだけのことをしている。だから、インタビューしても答えることができるのだ。「今、ヒーローインタビューを受けられるか、自問するといい」は、取材で聞いた言葉だが、極めて本質を突いている。
メッキははがれる。作ったものはバレる。
今は自己プロデュースとか、如何に演出するか?いかに見せるか?といったテクニック的な部分に意識しがちな時代になっていますが、それが必ずしも悪い訳ではないけれど、それをするのは中身があっての話。
自分は順番を間違えていないか?そこを見極める、自己に対する厳しさ、客観性は必要ですよね。
他人は、自分が見せたくない、隠そうとしている、弱い部分、醜い部分を見ようとするものだし、いくら上手に隠している、演出しているつもりでも、それは何気ない時に滲み出てしまう。
逆に中身のある人ならば、何気ない時にその裏側にある努力や鍛錬が見えてくるもの。他人が応援しようと思ってくれる人間って言うのは、そういう人なんだろうと思います。
「能ある鷹は爪を隠す」。
石橋さんじゃないけれど、昔の人は本当に良い事をいいますよね。