人は 三歩進んで二歩下がる生き物②

続きです。

誘惑を感じた時には、自分を甘やかそうとする声に負けない様に、賢い方の自己が声を張り上げなければならない。しかし、例え自己コントロールが上手くいっても、思わぬ落とし穴がある。上手くいったせいでいい気分になり、賢い方の自己の声が聞こえなくなってしまうのだ。

長期的目標に対して進歩が見られると、あなたの脳は長期的目標に向かっていたスイッチを切り替え、「まだ達成されていない目標」へ注意を向けさせる。(脳のチェックリストには、他にも沢山の目標が盛り込まれている)

すると、自分を甘やかそうとするささやきが聞こえてくる。心理学者はこれを「欲求の解放」と呼ぶ。抑えつけていた欲求が高まり、少しでも欲求を感じると抑えがたくなってしまう。

分かりやすく言えば、一歩前進して二歩下がるということ。例えば、退職後のための投資プログラムを始めると「貯蓄をしたい」という願いが満たされる一方で、「買い物をしたい」という欲求が頭をもたげる。

ファイルの整理をすると、「張り切って仕事をしよう」という欲求は満たされるが、「テレビでスポーツでも観たい」という欲求が出て来る。天使の声に」耳を傾けていたはずが、悪魔の囁きに耳を奪われてしまうのだ。

「スタンフォードの自分を変える教室」ケリー・マクゴニガル

(スタンフォード大学の心理学者・専門は健康心理学)

(続く)

「上手くいったせいでいい気分になり、賢い方の自己の声が聞こえなくなってしまう」。これ、本当にそうですよね。ちょっと上手くいくと、人は安心してしまう。ちょっと一休みして、自分を甘やかそうとする。

これが本当に一瞬、短時間で済めばいいけど、ダラダラしてしまったりする。ちょっと本を読んでみたり、ネットを見ていたら、いつの間にか30分とか経ってたりする。5分、10分休むだけのつもりやったのに・・・。

この本では、「一歩前進、二歩下がる」となっていますが、やはり日本人の心の沁みついている水前寺清子さんの名曲に倣って、タイトルは「三歩進んで二歩下がる」としてみました。

実際の実感として、「一歩進んで、二歩下がる」というよりは、「三歩進んで、二歩下がる」っていう感覚が近い様に思うのですが、皆さんは如何でしょうね。

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