意味のある厳しさ
今は何でもパワハラと言えば、逃げられる時代になっていますが、それで不幸になっているのは子供や若者だと思う。
そういう風潮を誰が作り出しているのか?
民衆のメンタルを弱くして、牙を抜いて得をしているの誰なのか?
が、見えてなさ過ぎる。
自然派災害も含めて、人間にとって自然界は何も優しくはないし、でもだからこそ容赦なく空気や水の循環を起こして、土を豊かにし、気の流れをよくしてくれる。
ビニールハウスや養殖の桶の中で厳しい自然の掟に触れずに育った、養殖の野菜や魚の様に、骨のない人間に育てられたら、これからの変化しまくる時代に生き残っていけないと思うんですよね。
意味のないパワハラは撲滅されるべきですが、意味のある厳しさまで無くしてはいけない。
どんなに時代が変わっても、真理というものは変わる事がなく、古くなる事もないはず。
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●致知出版社の人間力メルマガより転載
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「仕事をしすぎてはいけない」という風潮が社会で浸透してきた感があります。
日本サッカー界を長年リードしてきた岡田武史氏と、侍ジャパントップチーム監督の栗山英樹氏は働き方についてどのように捉えられているのでしょうか。
稲盛和夫氏の薫陶を交えて語り合われた『致知』2022年12月号の記事の中から紹介します。
(栗山)
いまの世の中って、仕事しすぎちゃいけない、「寝ないで仕事をしろ」とは言いにくい時代になりました。
でも僕は仕事でしか学べないことがあると思っていて、寝ないで仕事に没頭するある一時期って大切だと思うんです。
没頭し、やり切らないと見えてこない世界があるんです。
稲盛さんもご著書の中で「仕事でしか人間形成はできない」
と断言されています。
(岡田)
僕も全く同じことを考えていて、人間が成長する時って困難や理不尽な出来事を乗り越えた時なんですよ。
ところがいまはそれを一切与えちゃいけないという風潮になっている。これでは人も組織も成長できないとすごく危機感を抱いています。
骨は重力があるおかげで反発して頑丈になっていて、無重力の状態に長くいた宇宙飛行士は帰還後に骨の強度が著しく落ちているそうです。
いまの世の中、その重力の役割がどんどん希薄になってきているような気がしてなりません。
それで僕は野外体験教育というのを始めたんです。
大自然が与える理不尽さはパワハラにはならないので(笑)、
二十泊二十一日、海遍路、山遍路それぞれを辿って無人島に行ってくるというとんでもない企画です。
中学三年生から大学一年生までの七名が行ったんですけど、参加した人は皆、人が変わったと感じるほど成長しました。
テントや軒下に泊まり、食料も自分たちで調達しなければならない。そんな無茶苦茶な環境に突如飛び込んだことで、不登校になっていた子は、「学校に行く、行かないは実は大した問題ではなかった。生き続けることが一番大事だったと分かりました」
と言って、学校に行けるようになったと聞きました。
(栗山)
すごく貴重な機会ですね。
(岡田)
会社として理不尽な要求は押しつけられないから、企業研修としてこのプログラムを受講される会社もあります。
やっぱり極限状態に追い込まれて、遺伝子にスイッチが入ると人間変わりますよ。