「権威」以外のもので人を導く

【「権威」以外のもので人を導く】

リーダーであるためには、三つの要件必要だという。

第一に

「新しい事を考え、行動する」

第二に

「自分から考え、自分の意志で動き始める」

第三に

「周りの人達が、その活動を支持し、巻き込まれていく」

「これをやろう」と言って真っ先に動き、仲間を巻き込んだとしても、今までやっていた事の繰り返しに過ぎなかったら、それはリーダーとは言えない。

新しい事を始めたとしても、上からやれ言われて動いたのであれば、それもリーダーとは言わない。

新しい事を自分で考え、真っ先に動いたとしても、誰も巻き込めなければリーダーにはなれない。

だからリーダーになった時は、「新しい事を目指し、自分から率先して動き出し、人を巻き込む」事を意識する事だ。

役割上はリーダーでも、もたもたとして自分から動かなければリーダーシップは発揮出来ない。

一方、誰にリーダーと任命されたわけでなくとも、これらを実行している人は自然とリーダーとして認められる。

山梨広一著「いい努力」

どんな所にいても、自然とリーダーシップを発揮して周囲の人をいい方向へ導いていく人って居ますよね。

権威や権力で引っ張ろうとしても、人ってついていかないもの。

単に知識や経験が豊富というのではなく。人間的な魅力がある人、懐の深い人。

そういう人には自然と人がついていく。

以下は、人間の組織に限らず生物の集まり、暮れに共通する法則が書かれていて興味深い文章です。

アリの話はよく聞きますが、虎の話は新鮮でした。神経質な人間と一見、ボーっとしている人間のいい割合というのは、人間の社会でもよく見聞きする構図ですよね、これって。

「ムダの効用」

百匹働きアリがいると、必ずその中の20匹は働かないで怠けているということをご存知でしょうか。

皆が働いているときに働かずにノラクラしている怠け者のアリ。

「それじゃ、しょうがないから あっちに行っててもらおう」

と、その20匹をどけると80匹になります。

すると、またそのうちの2割は働かなくなってしまいます。

これは何匹にしても同じことで、必ずそのうちの2割は働かない。

そういう面白い習性がアリにはあるそうです。

これは、アリだけでなく、たとえばサーカスの虎でも似たようなことがあるそうです。

これはムツゴロウこと畑正憲さんが体験した話で、大体次のようなものです。

あるサーカスに10匹の虎がいました。

8匹はシベリア産の虎で、2匹はインド産です。

シベリア産の虎は非常に俊敏で頭がよく、芸をすぐにマスターします。

ところが、インド産の虎は怠け者で頭も悪く、ちっとも芸を覚えません。

「どうしてこんな物覚えの悪い虎を 置いておくんですか?全部シベリア産に すればいいじゃないですか」

とムツゴロウさんが質問しました。

するとサーカスの人は、

「いや、これでいいんです。 全部をシベリア産にしてしまうと、 みんな神経過敏だから苛立って  すぐにケンカを始めてしまいます。

 インド産のノラクラが2匹いるお陰で、 なごやかな雰囲気になって  全体の調和が保たれているんです」

と答えたということです。

これは組織を運営する上で大きなヒントになるのではないでしょうか。

「無用の用」という荘子の言葉がある。

一見何の役にも立たないと思われるものが、実は大切な働きをしていること。

例えば、読書にしても自分の仕事に役立つものばかりしか読まないとしたらどうだろう。

およそ、味のないつまらない人間が出来上がるだろう。

商売にしても同じで、ムダの排除は仕事の必須条件だと言われるが実は必要なムダというのもある。

決して合理的でもなく、効率的でもなく、損得で考えてもムダ、というもの。

つまり、車のハンドルのアソビのようなものだ。

アソビがなければ、ちょっと動かしただけで車はすぐに曲がってしまうので、運転に相当神経を使わなければならない。

ムダの効用だ。

一見ムダに見えるようなことが、実は大切な役割を果たしている。

※『 思わず涙する感動秘話』より

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