色んな幸せ
人間には、色んな幸せがある。
それに気付けるか?が大切やなと思っています。
僕も若い頃、試合ばっかり出ていた頃は、こういう充実感・達成感こそが幸せと感じてたけど、これって脳内のドーパミンによるものでキツい中毒性があるもの。
この幸せのみを追いかけていると、いつか心や体が壊れだすんですよね。
ゲームやスマホ中毒も仕事中毒もこれ。外部からの強い刺激によるもの。
他者とのコミュニケーションは素晴らしい事の様に言われるけれど、これも過ぎると中毒性がある。
愛情ホルモンとも言われるオキシトシンの作用で、かなりキツい中毒性がある。現代は恋愛中毒的な人も多いですよね。特に女性はこれにハマりやすいから注意が必要。
何でもない日常で、たった一人でも感じられる穏やかな幸せ。
これがしっかりとベースにあってなら、ドーパミンやオキシトシンの幸せも素晴らしいものなんですよね。
別に、この藤波選手を否定している訳ではなくて、若い頃にこういう充実した時間を過ごすのは必要やし素晴らしいこと。
ただ、それだけになっていると、現役を離れた後に苦しむアスリートが多いんですよね。
記事を読んでいて、自分の選手時代やそれが終わってしばらく色々と悩んでいた頃を思い出しました。
以下、致知出版社の人間力メルマガより転載
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2024年盛夏、遠くパリの都で一組の日本人親子が世界を刮目させました。
レスリング女子の藤波朱理選手が初出場にして破竹の勢いで金メダルを獲得。中学時代から途切れない公式戦連勝記録を137に伸ばしました。
そのコーチであり、2021年に教職を辞して地元三重から上京、娘の夢に人生を懸けてきた父・藤波俊一氏と喜びを分かち合いました。
今月発行された『致知』最新号では、藤波親子にご対談いただき、勝利へのあくなき執念で結ばれた
二人の強さの源を探りました。
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【藤波俊一】
私は初戦が気になっていたんです。この大会の前、朱理は怪我で
世界大会を二つ欠場していて、ブランクがありました。
減量もしますので、初戦でどんな闘いをするかで
仕上がりが分かるわけです。
相手は二〇二二年の世界選手権のチャンピオンでした。ここを六対〇で勝ってくれたので「調子いいな。大丈夫だ」と。
次も大差で勝って、その時点で金はいけるな、と内心は確証を得ていました。
【藤波朱理】
「オリンピックには魔物がいる」とよく言われますが、自分自身の試合では、特に感じませんでした。
でも過去の先輩たちの闘いを見た時、実力通りにいかない世界なのかな、とは思いました。
実際、観客席をはじめ、大会の盛り上がりはこれまでの経験の中で一番でした。
実力だけでは勝てない、運も非常に大事になるのがオリンピックだと思います。それでも勝てるよう、運を引き寄せるくらいの
準備を積み重ねたつもりです。
【俊一】
これまでアジア大会や世界選手権を闘ってきて、「魔物」がいるとは感じたことはありません。そもそも、勝負は何が起こるか分からんものです。朱理は普段から油断がないので、
私は余計な心配はしませんでした。
【朱理】
オリンピックが終わって一か月くらい、レスリングをしない時期があったんです。
好きな時間に好きなものを食べられる、きつい追い込みもない。
大会前はそれが楽しみでした(笑)。
でも、実際そうしてみると、何か違うんですよね。
あぁ、これは“幸せ”じゃないなって思いました。
私は、きつくても目標があって、それに向かって努力することが楽しいし、幸せなんだと思います。
休んだ一か月でそれに気がつけたことはすごくよかったです。