真意を取れる人と額面通りに受け取ってしまう人
「他人より自分を大切にしよう」という言葉を勘違い。
「やりたくないことが、心からやりたいことに変化するまでやり続ける」というオプションがある。
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とても大切な事が書かれている記事を読んだので、紹介します。
とものあきらさんのFacebook記事を転載。
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よくさ、「他人より自分のことを大切にしよう」って言うでしょう? 本をたくさん出している有名なカウンセラーの影響もあると思う。
もちろん、それはいいんだけど、鵜呑みにしてほしくないんだよね。この台詞は、他者のことをやり過ぎて、自分を殺してしまっている人に向けたもの。自分が満たされてない人ね。
他者を助けることが自分の喜びだという人には、関係ない話だよ。他者と助け合うことは、本能だからね。人間以外の動物だってそうだよ。
このことに幸せを感じる人に、余計なことを言わなくていい。そもそも、利他性は日本人の特質だから。
あとさ、同じような話で、「やりたいことをやろう」という背中を押す係りの人も多いよね。
それはまったくもって、その通りで、ブルーハーツが歌うまでもなく、「やりたくねえことやってるヒマはねえ」んだよ。
ところが、多くの人は、そのやりたいことが見つからなくて悩んでいるわけだ。
実はそんなことに悩むのは時間の無駄なんだよね。
「やりたいことをやろう」という言葉の影響で、入った会社をすぐ辞めちゃうとか、部活をやめちゃう人たちは少なくないと思う。
このとき、才能を殺してしまっているかもしれないんだよ。
やりたくないな、向いてないなって、すぐに辞めてもいいと思う。よく言えば、他にもたくさんの経験ができるから。
でも、若い人に知ってほしいのは、「やりたくないことが、心からやりたいことに変化するまでやり続ける」というオプションがあること。
自分の例で言おう。19歳で本格的にテニスを始めたとき、そんなにやりたいわけじゃなかった。大学の勉強がつまらなかったから、何かスポーツで身を立てようと思った。別にテニスじゃなくて、ゴルフでもボクシングでもよかった。どの世界でもプロになれる身体能力があると思い込んでいたから。
すごく好きというわけでもないテニスを初め、単調な練習をする毎日だった。小学2年生の女の子にコテンパンに負けたこともあるし、コーチにもしょっちゅう叱られる。
単調な毎日だけど、自分なりに創意工夫すると、だんだん楽しくなってくるんだよね。たとえば、コートのあるスペースに、何球連続で打ち込めるかを、自分で数えるわけ。つまらない練習を、ゲーム感覚で楽しむようにした。
やがて、少しずつ勝てるようになり、コーチから「お前は天才」と言われるようになった。楽しくないことが、楽しいことに変わったんだ。
これが、「やりたいことに変化するまでやってみる」ということ。
もひとつ。ある新規事業を任される立場になったときにわかったこと。
お客さんの、喜びの声をもらうようになり、仕事に喜びを感じるようになることってあるでしょ? さっきの話と同じで、他者の喜びが自分の喜びだと気付く。こうなると仕事が楽しくて仕方がない。
最初はつまらなくても、こういうきっかけで、天職と言えるくらい夢中で取り組めることもあるんだよ。
「他人より自分を大切にしよう」という言葉を勘違いすると、ここにたどり着けない。
だから、すぐやめることに反対はしないけど、「やりたくないことがやりたいことに変化する」可能性を心に留めておくといい。
やめる理由っていろいろ考えつくでしょ。人は言い訳の天才だし。でも、自分の想像力と創意工夫を発揮する前に判断すると、同じような理由で辞めてばかり(言い訳ばかり)の人生になるかもしれない。
そんなわけで、「やりたいことをやる」のはもちろんだけど、「心からやりたいことに変化するまでやり続ける」というオプションもあるよというお話でした。おしまい。
結局、物事の上っ面しか見えていない人が、その言葉を「額面通り」に受け取ってしまう事が多過ぎるのだと思う。
相手の言葉の真意、本当に伝えようとしてくれている事」に辿り着けない人間のままだと、自分に誰も言葉を届けてくれなくなってしまう。
この「真意」を取れる能力は「体験」から育つもの。
失敗を怖れて体験を避け、「知識」を本やネットからばかり学ぼうとする人は、この落とし穴に陥ってしまうのだと思う。