「知る」と「やる」と「出来る」の距離
「知っている」事と、「実際にやっている、行動に移している」事、そしてそれが「本当に出来る」ようになる事。この三つの間には、かなりの距離がある。
何かを実際にやってきた人は、その事を体で知っている。だから、何かを実際にやっている人に対して、きちんと敬意を払えるし、その価値を知る事が出来るのだと思う。そして、その距離を分かっているから、それ相応の努力が出来るし、師や先輩からも可愛がられる。
「正しい事を知っている」というのはただ知識があるだけに過ぎないし、勿論それは知らないよりはいいけれど、まだ「道具を持っているだけ」の状態でしかない。
大切な事は、その道具を使って、「実際に何かが出来るのか?誰かの役に立てる」のか?あるいは、まだ出来なくても「それを行動に移している」のか?
知識だけを学んできた人、頭デッカチの人っていうのは、それが抜けているからついつい傲慢になりがちなんやと思うんですよね。何かを見たり、聞いたりした時に、「それ知ってるよ」ってすぐに言って、「そんなもん大したことない」と言いたがる人は多いけど、その大したことない様に見える事だって、実際にやるとかなり大変だったりする上、きちんと身に付けるにはかなりの時間と努力が必要なもの。
世の中には、せっかく正しい事を言っているのに、周囲から人がどんどん去っていく人が居るけれど、そういう人はこれが頭では分かっているけれど、体では分かっていないんやと思うんですよね。
頭ではなく、カラダでこの三つの距離を知る事は、自分の心、そして他人との適切な心の距離を保てるようなるために必須の能力だと思う。自分の心と体を守ってくれる、ある意味では護身術とさえ言っていい物なのかもしれない。