脳を操れるが故、人間の苦悩は生まれる⑥

続きです。

 
ヒステリー性格というのは、俗にいう「あの人はヒステリーだ」という表現と直接的に結び付けないで貰いたいのだが、ありていに言えば、その特徴は、
 
自己顕示的で虚栄心が強く、自分が中心にならないと気が済まない。
一般に小児的で意志が弱く、暗示を受けやすく、身振り態度が演出的である。
自律神経が不安定で動揺が激しく、飽きっぽい所がある。
これが他人から見ると、気まぐれに見える。
また空想的虚言症的である。
フロイトはヒステリーを「疾患への逃避」という風に呼んでいる。
 
「何もしたくない。消えてしまいたい。フラッと、倒れて病院に担ぎ込まれたら楽になる」という彼女の記述は、12年前の大阪国際女子マラソンでの劇的な倒れ方と見事に一致する。「もう走りたくない、消えてしまいたい、倒れて病院に担ぎ込まれたら、いっそ楽になる・・・」という事である。
 
この「倒れる」を生物学的に辿れば、「小動物が危険にさらされた時、体を縮めてジッと動かなくなる」様な本能的な防衛機能の一種としての行動様式と見る事が出来る。
人間における催眠現象やヒステリー患者の自発性を欠いた、茫然とした昏迷状態も、一種の「擬死反射(死んだふり反射)」で、「身を守るための原始的な反応機制を利用」しているのだと考えられている。
 
しかし、増田選手がヒステリー患者だというのではない。ただ、分裂性性格者の所有者である事は間違いない。
既に、前にも書いた様に、「人間の心の悩みは多かれ少なかれ、体に投射されるもの」で、マラソンの山下佐知子選手の心理的原因における膝痛や、美智子皇后にしばしば発生する失声症状の延長線上に増田選手の失速もあると考えられる。
頭の良い、勝気な人に起こりがちな症状である。
 
続く

人間の心の悩みは多かれ少なかれ、体に投射されるもの。

これは本当に大事な所で、これを分かっていないから悩んでいる人が世の中には多い。クスリに頼ったり、病院に行ったりする前に、自分の心の底をじっくりと見つめる方が余程、体に表れている「症状と呼ばれるもの」を改善させる事が多いと思う。

心身一如、昔から日本人が大切にしてきた教えは、今もっと目を向けられるべき教えだと思うんですよね。

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