勇気と行動力
宗道臣(少林寺拳法開祖)語録より
本当の武道とは、技を磨く事で心身を鍛え、不正と闘う事の出来る「勇気」と「行動力」を持った人間をつくる道である。
強くなる事には価値がある。記録を更新するという事には価値がある。しかしね、仮に100mを何秒かで泳いだって、イルカには敵わないんだよ。船がひっくり返ったときに、荒海の中で皆が助かるという事には全然繋がらない。
分かるかね。何が目的で修練するのか。
選手を作ったって、バタフライをなんぼやったって、山登りをなんぼやったってだ、ウルトラBか、Cか知らんけどトンボ返りを何べんやってみたって、そんな事は日常生活や人民の幸せには全然繋がらない。
だからそういうものとは違うものを私達はつくってきた。
私は駄目です、と最初からそう言う人がいる。
大人にも多いぞ。俺は駄目だ、努力しても運が悪いんだと。
そんな事はない。
運というのは偶然とは違うんだ。自分で見つけるものである。
自惚れではない自信が自分を変える。
自信がないのに勇気なんか出るはずがない。
自分に自信があるから、言えない事でも言えるようになる。
出来ない事でも、しようという気が起きる。
自信と勇気は育て上げられる。
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敗戦でどんどん荒廃していく日本人の心を見て、それを立て直すための手段として宗道臣先生は少林寺拳法の指導を始められたと言います。
松下幸之助さんも、GHQにより公職追放されていた時期に同じ様な理由からPHPの活動を始められていましたね。
その当時は、そ色々な世界でそういった活動を開始された国士と言える様な方がおられました。
危機的な状況になると、そういった人達が出て来るとよく言いますが、今の日本の状況もそれに近い様な気がします。
現代の教育は、「知育」ばかりが先行し、「肚」がない人間ばかりが育っていますが、このままでは日本はダメになりますよね。
「自信」と「勇気」に満ち、「行動力」溢れる人間を如何に育てあげるか?が問われると思います。