【男は男に生まれない、男になるのだ】
「あいつは俺だ! 今やっている番組の主人公、アムロ・レイ14歳は、俺そのものなんだよ!」
凄く考えさせられる記事を読みました。
まさに中二病、っていうやつですね~。
小学生の頃にはなかった感覚に男子が目覚める年頃なんでしょうね。
女子は「幼い頃からずっと女」といいますが、男は子供から男へと変わる時期、変わらなければならない時期がある。
誰かに頼る事なく、自分自身の力で精神的な壁を乗り越えないと、男になれない。
そんな時期が、本当に中二辺りから始まる。
その時に、自分の人生に必要な「何か」に目覚め始めるけれど、それを「こじらせてしまって終わる者」と、そこから「ちゃんと男=人間のオス””へと成長していける者」に分かれていくのだと思う。
これ、自分が中学生~高校生の頃、周囲の友達を見ていても本当にそうやったし、その後、武道やトレーニングを教える側にまわってその年頃の子を見ていてもやっぱり同じ。
その頃って、本当に分かれ目なんやなと実感しました。
この時期に、妄想の世界だけにはまり頭デッカチになると、この脱皮に失敗してしまう。
別に運動という意味合いではなくて、「体を使う=身体性を伴った経験」を通して、「自分の精神と肉体を共調・調和させる事が出来る能力」を身に付けるという事なんやろうなと思います。音楽やお笑いを目指す人、研究の道を目指す人でも同じで、実体験を通して学び、自分の中の削り落とす部分をきちんと見つけていき、鍛錬していくこと。
ガンダムの物語自体が、本当にこれでどちらかというと頭デッカチタイプの主人公アムロが、逃げられない状況の中で、自分の弱さと向き合い、他者との関係性の中で協調性を学んでいくものですし、心理学で言う「自我の確立」を行っていく過程の物語。
メカマニアの男子だけでなく、なぜか女子にもガンダムが凄く受けてたのはこういう部分なんでしょうね。
最初に再放送を見た小学生の頃は、ストーリーに惹かれる部分も勿論ありましたが、単純にモビルスーツのカッコよさに憧れてましたが、何回も見る内に物語の方に惹かれる様になりました。
カリオストロの城やジブリ作品もそうですが、普遍性を持つものはやっぱり消えないな~と思います。
あ、「男は男に生まれない、男になるのだ」っていう言葉は昔、ビールのコマーシャルに使われたコピーだそうなんですけど、男の真理を表していて凄く好きな言葉なんですよね。
若い男子や20代前半の男性に指導する時にもしょっちゅう使います。
「お前、今その壁を越えられへんかったら、男になれへんぞ!」って言うと、大体、余程甘ったれたヤツじゃなければピンと来るるんですよね。
「あ、今、自分は大事な所にいる。ここは絶対に乗り越えんとアカン所や」って。
ここを乗り越えて、試合で頑張って勝ってくれたり、トーナメントで優勝してくれたりといった事が沢山ありました。
別に試合の勝ち負けなんてどうでもいいんですよね、人生全体で考えればちっぽけな事で。
「自分に克つ」っていうのが大切。
人生の中で「弱い自分を乗り越えた」「一皮むけた」というのが、自分で分かる時があるっていうのが、それからの自分の支えになる。
女性は生命体としての本質を持っているから、生まれた時から筋力以外は全て男性よりも強いけど、男はホンモノではないから弱いんですよね。実際に子供の頃って男の方が病気にもなりやすいし。
プロトタイプであるが故に弱いオスだけど、メスと子供を守るために強くならねばならないという哀しい宿命を背負わされている。
それを表している様に思えて好きな言葉なんですよね。
軽い時代になってしまった現代では、残念ながらあんまり理解されない言葉ですけど。