自分を客観的に見る
本棚を整理中、ハンマー投げの室伏広治さんの著書を読み耽ってしまいました。
時々、パラパラと読み返すのですが、いい事がいっぱい書いてあります。昨日、目についた箇所を抜粋して紹介します。
【自分を客観視するのは苦しい修行】
スランプになる時の原因は様々あると思いますが、自分でスランプを脱出するためにやるべき事は一つしかない。
「今の自分を徹底的に見直す」という事。
スランプにもがく人は、一生懸命に抜け出そうと頑張っているはず。「こんなに頑張っているのにどうして上手くいかないんだ」と憤りさえ覚える。
しかし、それは「自分はちゃんとやっているんだから、ちゃんと結果が出るはずだ」という主観的な考え。「今まではこうやって上手くいっていたんだから、上手くいかないのはおかしい」という自己肯定に終始しているのです。
成功体験がある人ほど、そう思い込みがち。
しかし、現にスランプ状態になっているのだから、何かしら自分に問題がある。何かしらこの取り組み方には改善すべき点がある。
そうであれば、主観的な自己肯定ばかりするのではなく、第一に客観的に自分を見つめ直してみるべきなのです。
その作業は口で言うほど簡単な事ではありません。自分の欠点と向き合わなければならないから。
誰しも自己愛を持っているから、自分と向き合い、自分の弱点を見つめ直すのは辛いのです。
自分の欠点を認めるのは、とてもきつい。自分の欠点を自分に突き付ける事は、出来れば避けて通りたい。
自己否定に繋がりかねない事をわざわざ自分に仕向けたい人など居ないのです。
「過ちて改めざる。これを過ちという」
これは私が常日頃、大切にしている孔子の論語にある言葉です。
「過ちがあるのに改めない事こそ過ちである」というシンプルで強い戒めです。
「過ちそのものは仕方ない。過ちは改めればそれで良いのだ」。
この言葉こそ、スランプ脱出の極意だと思います。
過ちに気付いて改めこのスランプ脱出すれば、きっともう一回り成長した自分に出会えるはずです。そのためにも、まず、自分を客観的に見つめる事が大事なのです。
室伏広治