反省以前の子ども達③

【反省以前の子ども達③】
②からの続きです。

障害のある少年だからといっても犯罪行為は許される事ではない。しかし、本来は支援されないといけない障害を持った少年達が、なぜこの様な凶悪犯罪に手を染める事になったのか、が問題なのです。
これまで多くの非行少年達と面接してきました。凶悪犯罪を行った少年に、なぜそんな事を行ったのかと尋ねても、「難し過ぎてその理由を答えられない」という子がかなりいたのです。

更生の為には、自分のやった非行としっかり向き合う事、被害者の事も考えて内省する事、自己洞察などが必要ですが、「そもそもその力がない」のです。

つまり、「反省以前の問題」なのです。
これでは被害者も浮かばれません。

こういった少年達の中で、幼い時から病院を受診している子はほとんどいません。彼らの保護者・養育環境はお世辞にもいいとは言えず、そういった保護者が子供の発達上の問題(絵を写すのが苦手、勉強が苦手、対人関係が苦手など)に気付いて病院い連れていく事はないからです。
非行化した少年に医療的な見立てがされるのは、非行を犯し、警察に逮捕され、司法の手に委ねられた後なのです。


この先生は工学部出身というちょっと変わった経歴を持つ精神科医の方ですが、とても理論的に考えられているけれど、この二冊の本を読んでいる限りでは精神薬の問題や児童相談所の問題はあんまりご存じないのかな?って気がします。
病院には行かない方がいいと思うんですよね、大抵は精神薬でクスリ漬けにされるだけですから。実際にクスリ漬けになってしまった子も大人も沢山見てきました。副作用が本当に酷いんですよね・・・。
病院ではない所で、何らかの形で、理解のある大人に出会う必要があるのだと思います。一昔前の日本なら、近所のおせっかいなおっちゃんやおばちゃんが色々と心配してくれて、構ってくれて人の縁がどんどん繋がったりしてたんやろうと思うんですけど、今は個人のプライバシーに踏み込まないという空気が出来てしまって、人と人が深く関わらないのが普通の世の中になったから難しいですよね。昔が全ていいという訳ではないし、一長一短だとは思うのですが、失ったものも大きいんやろうなあ~という気がします。

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