心を鍛えるには
言葉にすると簡単やけど、実際はとても難しい「心を鍛える」こと。
この記事は、とても有名なイチロー選手の高校時代の話ですが、こういう地味な努力を人生のどの時期にしていたか?が大事んやろうなと思います。
心が育つ時期、放っておくとどんどんエゴが増長していく時期に、その芽を摘んでおけるかどうか?が後にその人が伸びるかどうかを決定する様な気がしますね。
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致知出版社の人間力メルマガ より転載
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米大リーグ通算3089安打という偉業を成し遂げたイチロー選手。
人々に大きな夢と感動を与え続けてきた、その〝超一流〟プロとしての生き方に学ぶべきこととは?
若き日のイチロー選手の専属打撃投手として、
練習に打ち込む姿を間近で見てきたという奥村幸治さんにお聞きしました。
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(奥村)
これは私が打撃投手に区切りをつけ、トレーナーになろうとメンタルトレーニングの勉強をしていた時のことだった。
イチロー選手を掴まえて、メンタルトレーニングについて
どのように考えているかと尋ねてみた。
すると彼はひと言、
「メンタルを鍛える、つまり心を鍛えるっていうのは、自分に必要なことを続ける努力をすることじゃないんですか」
と答えた。
私はその答えに興味を覚え、さらに質問を続けた。
「これまでに、これだけは絶対誰にも負けていないと胸を張って言える努力って何?」と。
「高校の時に寮に入っていた3年間、
僕は寝る前の10分間素振りをしていました。
そしてそれを1年365日、3年間欠かさず続けました。
それが僕の誰にも負けないと思える努力です」
この話を聞きながら、は高校時代に自分がどんな努力をしてきただろうかと自らに問い掛けた。
「きょうは家に帰ったら300回素振りをしよう」とか
「きょうはいつもより多く走ってこよう」
といった努力はしてきたが、イチロー選手のようにこれだけは
絶対にやらなければという思いで続けてきたことは何もなかったことに気づかされた。
この話には後日談がある。
つい最近のことだが、私の講演を聞いてくれていたイチロー選手の高校時代の先輩に声を掛けられ、その講演で触れた「10分間の素振り」について話題が及んだ。
「やっぱり本当なんですか」と尋ねると、その答えに私は驚いた。
「10分間の素振りね、あれは最低10分だからね。
やり続けると1時間でも2時間でもやっていましたよ」。
イチロー選手は既に高校生の頃には一度自分で決めたことを、
決してゼロにはしなかった。そうやって心を鍛えてきた事実に私は新たな衝撃を受けた思いだった。
NHKの特集番組でイチロー選手は次のような趣旨のことを語っている。
「心が折れそうになった時、自分が続けてきたことをやめてしまおうと思ったこともあった。
しかし、もし仮にやめてしまったら自分が自分ではなくなってしまう」
これは彼にとって、いまの自分があるのは、やると決めたことを休むことなく続けてきたからだという認識を強く持っているからに他ならない。
彼の弛まぬ努力の仕方そのものが心の支えとなり、いまを生きる力になっているのだと私は思う。