集中と催眠、誘導

人にトレーニングを教えていて、この「集中と催眠」というものについてよく考えます。

催眠とは、意識がある一点に集中している状態。極度の集中と言えると思う。

これは特殊なものではなく、誰でも日常的に体験している。読書や映画に夢中になっている時、リラックスして他の事には意識が向かわない時、通勤ルートを自動的に無意識で運転している時、人は催眠状態に入っている。

何かに集中している、夢中になっている時というのは、誰もが催眠状態にある。催眠とは、特殊なものではなく、人が催眠状態に入るのは全て自分の意志によるものであり、催眠とは全て「自己催眠」と言える。

必死でトレーニングに取り組んでいる時、人は自分の意志で催眠状態に入っている。誰か他者によって強制的に入るものではないのだ。催眠術師の様な特殊な技術を持つ人しかかけられないものではなく、彼らはその状態へ入りやすい様にリードする役でしかない。

学校の先生でも上手な人は生徒を集中しやすい状態へ導くし、僕らトレーナーでも同じ。他者をリードするけれど、その状態へ本当に入るには、本人が自分の潜在意識下でその状態へ入る事を許可していなければ入れない。

メディアによる誘導も同じで、「それを信じよう」という自らの意志がそこにはなければならない。だから、そういう意味では「騙された」というのはあり得ない。騙されたのではなく、「それを信じる事を自ら選んだ」のだ。

催眠状態に入ると、人は潜在意識のレベルに入る。普段、考えている思考や感情に捉われない世界。自分が本当に望んでいる事や昔、子供の頃に考えていた事など日常の思考の奥に仕舞われていた事が浮き上がってくる。

この状態へ入ると、集中力が尋常ではないほど上がり、創造性が湧き上がってくる。日頃、とらわれている常識の外に出る事により、自分の顕在意識が勝手に定めている「自分の限界」を超える能力が発揮出来たりする。アスリートがいうゾーンもこの自己催眠のの一種と言えるし、また、時空を超えた存在、霊的な世界からインスパイアされる事もある。

アーティストが好きな表現、「神様が降りて来た」というものがそれで、自分の意志を超えた何か=ユングのいう集合的無意識・アカシックレコードといった世界と交信している状態と言えるのだと思う。

自分でその状態をどれだけ認識出来ているか?が凄く大事で、それが分かっていないと、その状態が再現出来ない。あの集中力を再現したいと思っても、そこに至る道が分からない。

また、人からいつも誘導されている人は日常的にコントロールされやすい状態になっていて、相手の意図・誘導に気付きにくいし、それが良からぬ方向でも見抜けない。メディアや他人のコントロール下に入りやすい人は、この部分が意識出来ていないから、簡単に誘導されてしまう。

自分の意識が、今どこに向かっているのか?

それを日常的に意識するだけで、人生は本当に変わると思う。人を指導していて、その意識の差を目の当たりにするので、そこをもっと上手く伝えられる様になりたいなと思う。

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