全ては「コツをつかむ」ためのトレーニング
子供さん向きに書いたもの。
子供の頃って、学校の勉強に「こんなもんが将来何の役に立つねん」って思って腹立たしかったんですけど、ちょっと頭を切り換えられたら、意識が変わって少しは前向きになれると思うんですよね。
【勉強とゲームは同じ】
みんなの中に勉強が好きな子はあんまり居ないと思います。反対にゲームや漫画を読んでいるのはみんな楽しいと思います。
でも、勉強とゲームは脳の中でやっている事は全く同じなんです。
そう言われるとビックリしますか?
脳の中では電気信号で、色々なやり取りを行っています。脳の中に地図みたいなものがあって、そこを電気信号が流れているだけなんですね。
字を書いたり、コップを持ち上げたりするのも、勉強をイヤイヤしているのも、ゲームを夢中でやっているのも脳内では全く同じ作業なのです。
「ええ、そうかな~。だってゲームは面白いけど、勉強はイヤやで」って思うでしょ?
じゃあ、なぜゲームは楽しくて、勉強は辛いのか?
それは苦手なものはそこに電気信号が上手く流れる仕組みがまだ出来ていないから。コップを口に持っていく動作は難しくないですよね?
でも、君たちが赤ちゃんからもう少し大きくなって、初めてその動きをした時には、その動きはもうメチャクチャ難しかったんですね。しかしその動きを毎日何度も何度も繰り返すうちに、そこの地図に電気信号が流れる「通り道」が出来て、自動的に流れるようなシステムが出来あがったのです。
すると考えなくても出来る。
マンガをよみながらでも、コップがちゃんと口に行くのです。
「あ、今日は間違って目にコップが当たったよ~」って事はないですよね。
それは自動化されるシステムが脳内と神経に出来上がったから。
この「自動化されるシステム=通り道」のことを一般的な日本語では「コツ」と言っています。「自転車に乗るコツをつかんだ」とか言いますよね。
ゲームが上達するにも「コツ」をつかむのが大事でしょう?
勉強もスポーツもこの「コツ」を作る作業をしているのです。
学校出た後、仕事をする時に学校で習った勉強やスポーツそのものが役に立つという事はあまりありません。
でも、この脳と神経の通り道を作るという作業は、キミが生きている限り永遠に続きます。
仕事でも、料理や道を覚えるのも、趣味で音楽やスポーツをする際にも、この「コツをつかむ」という能力はずっとずっと必要な能力なのです。
人間関係だって、「人との距離感をつかむコツ」や「相手の気持ちを読むコツ」、「自分の気持ちを上手く伝えるコツ」が物凄く大切なのです。
勉強がイヤやな~と思った時は、「今、自分は脳と体の中に走っている地図を作っているんや。人生で一番役にたつ“コツをつかむ”ためのトレーニングをしているんやな」と思うといいですよ。
それは将来、色んな物事を学んだり、楽しんだりする時に大活躍して、キミの人生を助けてくれるのです。