恐怖との付き合い方

マイク・タイソンの師である、カス・ダマトの言葉を検索していて、いい記事を見つけました。恐怖心について、とても分かりやすく書いてあります。

一般的なプラス思考は、「恐怖について考える事」を恐れて考えています。「恐怖」を考えると、その方向に物事は進むので、「恐怖」を考えてはいけないというように。私もやってみましたが、これは実に難しい。

心配性の私など、このような事をやれば逆にストレスがかかる。見えるモノを見るなということですからね。「恐怖について考えない人、恐れを知らない人」というと、精神的に強い人のように感じるのですが、私には精神的に弱い人のような気がします。

私達は、「恐怖心」という事から目をそらすことなく、正面から「恐怖心」を捉えていく必要があるのではないでしょうか?カス・ダマトは、一般的プラス思考とは逆ですね。ある意味、究極のプラス思考からもしれません。

「恐怖は友達じゃないか。人間は恐怖から逃れられない。恐怖心があるから人間は生存できているんだ。恐怖心は、人間の最大のモチベーションパワーだ。これを上手に利用しよう。恐怖を最大の友人として付き合おう」と言っているように思えます。

https://venturmanagement.hatenablog.com/entry/20071030/1193699722

この記事を読んでいて思ったのですが、思えば僕の青春はずっと恐怖心との闘いでした。ほとんど楽しい事はしていなかった気がする。と言っても、自分で望んでやってはいたんですけどね・・・。

僕は空手やボクシングなど打撃系の競技をずっとやっていて、その間は、心の中でずっと恐怖心との闘いをしてきました。多分、武道や格闘技をやっていた一番の理由は、「男として真の自信を得るためには、若い内に自分の弱さとちゃんと向き合い、闘っておかなければならない」というものがあったのだと思います。

何かそう言うと随分カッコいいのですが、僕には体格も才能もなかったので、選手をやっている間、常に恐怖につきまとわれている毎日でした。

まず「相手への恐怖」、そしてそれ以上に「試合中に自分自身の気持ちが折れてしまう、諦めてしまう事に対する恐怖」、そして何よりも怖かったのが、「自分の底が知れてしまうこと。絶対に見たくない、弱くて醜い本当の自分を見てしまう事への恐怖」。

それらがいつも心の中に渦巻いていて、試合前一週間くらいは、恐怖で気が狂いそうになったり、全てを投げ出して逃げたくなったり。勿論、それは余りにもカッコ悪過ぎるので、実際にはしないんですけど、試合前一週間くらいはストレス200%みたいな精神状態で暮らし、もう精神的に疲れ果てた頃に試合を迎える感じ。最初の頃は、一睡も出来ていないという最悪のコンディションでで試合当日の朝を迎えていました。何か、文字にするとメチャクチャかっこ悪いですね・・・。

もう試合直前になると、諦めの境地というか、まな板の鯉状態、ちょっとだけカッコよく言うならある種の悟り状態って感じでしたね。そういう絶望的な感じの心理状態で試合に挑んでいたので、「何とか心の平安を保ちたい」と特攻隊の方の遺書をよく読んでいました。でも、結局は文字で、知識で得たものは役には立たない」という事に気付きました。実際に自分の身で、心で体験する他はないんですよね。

どうあがいても、自分からは逃げられないのだ。振り返ってみると、結局のところは、そのたった一つのことを学んだのかな?という気がします。

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