大きな問題を考える

大きな問題について考えていると、自分の抱える問題なんて物凄くちっぽけに思えて、なぜか元気になったりしますよね。人間の心って、不思議なもんやなと思います。

【一人の不幸で悩んでいる場合ではない】

東日本大震災で、私達は衝撃的な現実に直面した。ただ同時に、目が覚めた様な感覚を持った人も多いのではないか。日本には地震の危機が常にあり、避ける事は出来ない。災害だけでなく、政治・経済・外交などあらゆる面において再構築が必要だという機運が高まった感がある。

それは大変な課題だが、真剣に取り組むほど、むしろ心の問題は軽くなるだろう。言い換えるなら、心の問題を軽くするコツは、より大きな対象について考える事なのである。

読売新聞で書いている本の紹介も兼ねた人生相談コーナーで、「日本人の誇り」(藤原正彦著)を紹介し、この様なアドバイスをした。

(同書を読むと)「自分一人の幸不幸で悩んでいる場合じゃない。日本を何とかしなきゃ」という大きな気持ちになって、かえって楽になります。大きな問題に憤りを感じたり、希望を感じたりすると、自分の問題の拡大を抑えられる。日本の歴史を学ぶ事で、日本人の精神を自分の中に取り入れるのも大事です。

心は揺れ動き、傷つきやすいけれど、精神は安定しています。

元々、日本人は強い精神力を持っていた。それを取り戻せばいいだけだ。一昔前の人間が普通に実践していた事を、復活させればいい。それだけで、日本人は元通り強くなれると、私は考える。

齋藤孝(明治大学教授)

こういう部分って、本当に人間にはあって、これを今読んでいて、昔、松板幸之助さんの本にも同じ様な事が書いてあったのを思い出しました。一代で起こした松下電器がどんどん大きくなる過程で、いくらでも悩み事が出て来る。

いつになったら、悩み事が消えて楽になる日が来るんやろう?と思っていた時に、今まで深刻に悩んでいた事が、ある時もっと大きな問題が起こって、それどころではなくなり、その後で起こった問題に気を取られ必死で処理していたそうです。

その時、「あ。これか!」と悟られたそうなんですね。人生の問題はいつまで経っても無くなる事などないのだ。しかし、もっと大きな問題が起こると、前の問題など小さな事で気にならなくなってしまう。

「これなんや、悩みが亡くなるのはもっと大きな問題が起こった時なんや。おできが出来て気にしていても、後でもっと大きなおできてしまったら、前のおできは気にならなくなる。そういう事なんや」と「悩みを無くす?方法」に気付かれたそうです。

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