人は変われる④
その若者には「外には出ない」という目的があって、その目的を達成する手段として、不安や恐怖といった感情をこしらえているのだ。
アドラー心理学では、これを「目的論」と呼ぶ。
これは仮病ではない。その人が感じている不安や恐怖は本物なのだ。場合によっては、割れる様な頭痛に苦しめられたり、猛烈な腹痛に襲われる事もあるだろう。
しかし、それらの症状もまた、「外に出ない」という目的を達成するために作り出されたものなのだ。
これは「原因論」と「目的論」の違いである。
社会一般で言われる話は、全てが原因論に基づいている。
我々は原因論の住人であり続ける限り、一歩も前に進めないのだ。
続く
「我々は原因論の住人であり続ける限り、一歩も前に進めない」。
自分を変えたくない、そのためには自分の行動を変えたくない、そう考える人にとっては、「この一歩も進めない」という状態こそが自分が求めているものだから、「それだけは手放したくない」もの。
だから、過去に理由を求め、「その理由があるから行動出来ないんだ、自分は変われないんだ」という変われない理由付けを行う。
行動したくない人にとっては、アドラーの教えほど鬱陶しいものは無いでしょうね。