持たない人ほど 欲しがらない

人は自分が体験していない事は、

目には見えていても「観えない」し、理屈では分かっていても「心では分からない」。

体験がどれだけ大事なのか?という話ですよね。

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【持たない人ほど欲しがらない】

私は、阪神・淡路大震災の時も現地に向かい、被災者支援の活動に参加しました。

避難所の体育館には、寒さを凌ぐための衣類が、全国から寄せられました。衣類の配布を行っている所へやって来た一人のおじいさんが、とても暖かそうなコートと、毛糸のセーターを見比べてから、セーターを手に取りました。

「コートの方が暖かいのではないですか?」

見ていた私が問うと、おじいさんはこう言いました。

「ずいぶん暖かそう出し、生地がしっかりしてカッコいいね。だから、他の人にあげて下さい。私はこっちで十分だから」

そのおじいさんは、着の身着のままで逃げてきて、他に衣類の余裕がある訳ではありません。だから、2着とも持っていったっておかしくありません。

それなのに、これから来るであろう人達のために自分はセーターだけでいいと言うのです。

このおじいさんを見て、私はかつてボランティアのスタッフから聞いた事を思い出しました。

「物資を受け取りに来るそれぞれの人の被災度合いは一目で分かります。被害が少ない人ほど、援助物資を沢山持っていこうとします。大きな被害を受けた人は、同じ様な目に遭った他の人達を思いやって、最低限のものしか受け取ろうとしません」

まさに、その通りの事が私の目の前で何度も繰り広げられました。

何も口にしておらずひどく空腹のはずなのに、小さなおにぎりを一つしか取ろうとしない人。

一本のペットボトルの飲み物を、隣の人と分け合おうとする人。

ストーブの近くを、もっと寒がっている人のために空けておこうとする人。

そういった人達のほとんどが、まさに「何も持っていない」状態だったのです。

私達は、なまじ少しの物を失った位だと、「こんな酷い目にあったのだから、自分さえ良ければいい」と考えてしまいます。ところが、身を切られる様な悲しみを味わうと、他の人の痛みが分かり、何とかその痛みから救ってあげたいと願う様になります。

それはなぜかと問われれば、「人間だから」と答えるしかありません。

鈴木秀子(シスター・セラピスト)

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この質問にもし僕が答えるなら、「それはミラーニューロンの為せる業」って感じでしょうかね~。

人の脳は、自分が体験した事には「ミラーニューロン」が働き、同調する様になる。

思いやりとは、ミラーニューロンの機能。

子どもに協調性や思いやりを持って欲しければ、幼い内から体を使った体験をさせてあげること。

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